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目次
- はじめに
- A. なぜ、発展できたのか?
- B. 格差が、なぜ生まれたのか(なぜ、今、このような世界になっているのか)
- 1. 地理的要因
- 2. 制度的要因
- ・私有財産
- ・科学的合理主義
- ・近代資本主義
- ・インフラ(通信手段、輸送手段)
- 3. 政治的要因
- C. なぜ、文明は、崩壊するのか?
- D. 時系列で発展を見る
- a. 認知革命/狩猟時代
- b. 地理的要因
- c. 農業革命
- ・コラム①:「経済と人類の1万年史から、21世紀世界を考える」(本)と議論する
- d. 制度要因・政治体制要因
- ・コラム②:交換/交流から始まる加速
- e. 産業革命
- ・コラム③:私たちは、なぜ、体育が、週5で授業をしなかったのか?
- f. 包括的な政治制度への変化 〜日本の高度経済成長を例に見る〜
- g. 情報革命
- ・コラム④:技術と産業のフェーズ
- h. AI, IoT革命
- ・コラム⑤:大学教育で、何を鍛えるべきか?
- i. ブロックチェーン革命
- j. GNR革命
- 終わりに:若者の私たちは、どんな未来をつくっていくのか
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コラム②:『交流』の観点から、現代まで辿る
1. 交流に駆られる人々
農業革命においてどういうものが重要だったのかというと、安定した食料ができたことで、定住が可能になりました。
定住が可能になったからこそ余暇が生まれた。例えば、明日食べるものがあるから明日何しようかっていうことが考えられるようになるわけです。
また、交流が生まれてきたので、どんどん新しいものが発見できる。自分たちが持ってなかったものを持つ人たちを見つける。新しいものが新しいものを生み出していきながら、富の欲望ができていたので、富と富がぶつかり合いながら、村の発展や、富を奪い合う競争が生まれました。
競争が生まれると速度が重要になってくる。
なぜなら、他のところより早く発展しないと力関係が逆転して奪われる立場になる。奪う方が奪われる立場になると困るので、どんどん発展をしていかないといけない。
それは多分現在でも残っている。 現在であれば、奪い合いではなくて、「みんなで協調してやっていこうよ」という世界の流れはあります。
しかし、政治でもあるとおり、貿易の摩擦化が、だんだん起きているので、小競り合いというものが残っています。
そういう競争の礎ができたのが農業の時代ではないかと考えています。 仕事を楽にするための工夫が生まれ、日々を豊かにするための時間(余暇)が生まれ、文明と文化というものが育まれている。
文化と文明が交換される時代というのが、この農業の革命において出てきました。
別の問いを立てる。
陸路(道路, 線路)、海路、空路、情報通信と、なぜ、人類は、これを求めたのか?
交流しやすくするために、どういう地形や物が必要か?
日本みたいに、周りが海に囲まれていると、交流するためのコストがかかる。交流しやすさっていうのはどういう条件が必要だろうか?
道が作られれば作られるほど、整備されれば何が起こるのか?
人は道に安全が確保されていれば、当然何度も行き交いする道があるところと、獣道しかないところだったら、どっちが発展するかと言ったら、当然道があるところの方が発展する。
交流には道が極めて重要。交流にとって、これからの道の最高の道は何か?
2. アイデア, 情報の交流
発展に必要なものとして、あげられるのは、知識/情報。
本来は、属人性の高いものだったはず。
なぜなら、元々人間の脳に保管され、口頭での共有し、他者の脳に保管しない限り、その人が死ねば、なくなるものであるから。
さらに、言語化できない技術であれば、完璧に伝達することは、ほぼ有り得ないと言ってもいいだろう。のちに、人口増加に伴って、秩序維持のためもあってか、書記体系が生まれた(②想像上の秩序と書記体系(5000年前))。
保存の方法はどう変わっていったのか。
紙に書く方法から、産業革命後は、トッパー印刷という版画みたいなものを使う『印刷型』になった?印刷型も進化を遂げている。
なぜか?
紙は、濡れるし、破れるし、燃えるし、『保管性』にすぐれてない。
情報の交流のしやすさはどうか。
他者への共有のしやすさでいうと、物理的な接触が必要。
一枚の書物での保管であれば、共有ではなくて、それをハブとして捉える必要があるほどではないか。版画式でも、発行量に限界がある。
印刷すればもっと多くの人に捌ける。
量の話からより多くの人の範囲に行き渡せるとなると、データ化は適切。なぜなら、データ化すると、そもそも移動させる必要も、する必要もなくなるから (情報をサーバーに移動させる必要はある) 。
なぜ、人類は、その新しいものを選択し、普及させたのか?結局発展の方向性って一個の方向に向かっているっていうことが考えてみると見えていくかもしれない。
-続く
【引用・参考図書】
・歴史
1. 経済と人類の1万年史から、21世紀世界を考える – ダニエル・コーエン(著)
2. FACTFULNESS(ファクトフルネス)――1の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣 – ハンス・ロスリング, オーラ・ロスリング他(著)
3. 繁栄――明日を切り拓くための人類10万年史 – マット・リドレー, 大田直子他(著)
4. 銃・病原菌・鉄――1万3000年にわたる人類史の謎 – ジャレド・ダイアモンド(著)
5. 文明崩壊――滅亡と存続の命運を分けるもの – ジャレド・ダイアモンド(著)
6. 世界全史 – 宮崎 正勝(著)
7. 国家はなぜ衰退するのかーー権力・繁栄・貧困の起源 – ダロン アセモグル, ジェイムズ A ロビンソン他(著)
8. 「豊かさ」の誕生――成長と発展の文明史 – ウィリアム・バーンスタイン、徳川家広(著)
9. サピエンス全史――文明の構造と人類の幸福 – ユヴァル・ノア・ハラリ(著)
10. 第三の波 – アルビン・トフラー (著), 徳岡 孝夫 (翻訳)
量子革命: アインシュタインとボーア、偉大なる頭脳の激突 – マンジット クマール (著), 青木 薫 (翻訳)
気象を操作したいと願った人間の歴史 – ジェイムズ・ロジャー・フレミング (著), 鬼澤 忍 (翻訳)
・企業/労働
11. 会社は誰のものか – 岩井 克人 (著)
12. 会社が消えた日 三洋電機10万人のそれから – 大西 康之 (著)
13. コンサルティングの悪魔―日本企業を食い荒らす騙しの手口 – ルイス ピーノルト (著), Lewis Pinault (原著), 森下 賢一 (翻訳)
14. アップル帝国の正体 – 後藤 直義 (著), 森川 潤 (著)
15. 投資は「きれいごと」で成功する – 新井和宏 (著)
・制度/経済体制
10. 1940年体制 – 野口 悠紀雄 (著)
11. 戦後日本経済史 – 野口悠紀雄 (著
12. 現代日本経済システムの源流 (シリーズ現代経済研究) – 岡崎 哲二 (編集), 奥野 正寛 (編集)
13. 経済システムの比較制度分析 – 青木 昌彦 (著), 奥野 正寛 (著)
14. 比較制度分析に向けて – 青木昌彦 (著), 瀧澤 弘和 (翻訳), 谷口 和弘 (翻訳)
15. 高度成長 – 吉川 洋 (著)
金融政策(第2版) (【ベーシック+】) – 小林照義 (著)
戦後経済史―私たちはどこで間違えたのか – 野口 悠紀雄 (著)
・資本主義/経済
15. 経済成長という呪い – ダニエル コーエン(著)
16. 資本主義の終焉と歴史の危機 – 水野和夫(著)
17. 人工知能は資本主義を終焉させるかーー経済的特異点と社会的特異点 – 齊藤元章, 井上智洋(著)
18. ポスト資本主義――科学・人間・社会の未来 – 広井良典(著)
19. 資本主義という謎――成長なき時代」をどう生きるか – 水野和夫, 大澤真幸(著)
20. 人工知能と経済の未来――2030年雇用大崩壊 – 井上智洋(著)
22. シェアリングエコノミー – アルン・スンドララジャン (著), 門脇 弘典 (翻訳)
・現代考察
22. 21 Lessons: 21世紀の人類のための21の思考 – ユヴァル・ノア・ハラリ (著), 柴田裕之 (翻訳)
21. 増補版 なぜ今、私たちは未来をこれほど不安に感じるのか?――日本人が知らない本当の世界経済の授業 – 松村 嘉浩 (著)
・AIと経済
AIとBIはいかに人間を変えるのか – 波頭亮 (著)
・シンギュラリティ
21. シンギュラリティは近いーー人類が生命を超越するとき – レイ・カーツワイル(著)
22. 2045年問題――コンピュータが人類を超える日 – 松田卓也(著)
・情報革命以後
27. 進化するデジタル経済とその先にあるSociety 5.0 – 総務省|令和元年版 情報通信白書|PDF版
28. IT全史 情報技術の250年を読む – 中野明 (著)
29. インフォメーション―情報技術の人類史 – ジェイムズ グリック (著), James Gleick (原著), 楡井 浩一 (翻訳)
・未来考察
23. ホモ・デウス――テクノロジーとサピエンスの未来 – ユヴァル・ノア・ハラリ(著)
24. ワーク・シフト――孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉 – リンダ・グラットン, 池村千秋(著)
25. LIFE SHIFT(ライフ・シフト)―100年時代の人生戦略 -リンダ・グラットン, 池村千秋(著)
25. アフターデジタル――オフラインのない時代に生き残る – 藤井保文, 尾原和啓(著)
26. 第五の権力――Googleには見えている未来 – エリック・シュミット, ジャレッド・コーエン他(著)
27. 国富論 – 原 丈人 (著)
28. ネクストソサイエティ – P F ドラッカー (著), 上田 惇生 (翻訳)
29. お金2.0 新しい経済のルールと生き方 – 佐藤航陽 (著)
30. 未来に先回りする思考法 – 佐藤航陽 (著)
新たな事業機会を見つける「未来洞察」の教科書 – 日本総合研究所 未来デザイン・ラボ (著)
スペキュラティヴ・デザイン 問題解決から、問題提起へ。—未来を思索するためにデザインができること – アンソニー・ダン (著), フィオーナ・レイビー (著), 久保田 晃弘 (監修), 千葉 敏生 (翻訳)
デジタルネイチャー 生態系を為す汎神化した計算機による侘と寂 – 落合陽一 (著)(※これに関しては、1mも理解してないです)
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